平成24年12月2日
社会貢献フォーラム「自然と生きる・自然を活かす~みんなでつくる地域の力~」in青森
12月2日(日)、13時30分から青森市「リンクステーションホール青森」で社会貢献フォーラム「自然と生きる・自然を活かす~みんなでつくる地域の力~」を開催した。300人が参加し盛会裏に終了した。
フォーラムは、主催者を代表して東奥日報社 平川正敏 取締役読者事業局長が開会のあいさつをした後、第1部「私を育てた青森の自然」と題するNHK大相撲解説者・スポーツキャスターの舞の海秀平さんの講演から始まった。
講演では、舞の海さんの中学時代のエピソードや、力士時代の横綱との取り組みのエピソードなどを身振り手振りや笑いを交えながら話した。自身の体重の3倍を越える力士と取り組むのはとても怖いことだが、負けず嫌いのじょっぱりの精神で向かっていったことや、幼い頃から地元の魚を食べて育ったおかげか、怪我をしても骨折だけはしなかったなどを含む青森とのかかわりについて語った。
第2部は、「自然と生きる・自然を活かす~みんなでつくる地域の力~」をテーマに、パネリストとして、青森県遊技業協同組合 理事長の大西康弘さん、東奥日報社編集局報道部次長の近藤弘樹さん、早稲田大学教授の鳥越皓之さん、NHK大相撲解説者スポーツキャスターの舞の海秀平さんの4人、コーディネーターとしてアナウンサー・エッセイストの村松真貴子さんによるシンポジウムが開かれた。
最初に鳥越皓之さんが、日本は、食、生活、文化が成熟し、成長の段階から、質的な豊かさを求める成熟の段階に入っていっている。
そのような社会の変化の中で、国家が解決できない問題を解決するために社会貢献活動の果たす役割も変化しようとしている。
その変化や可能性について考えていきたいと問題提供した。
大西康弘さんは、青森県遊技業協同組合の社会貢献活動の中から、東日本大震災の被災地へいち早く支援の手を差し伸べた時のこと、津波の際にはホールの施設を開放する協約を結んだこと、シャッター街となってしまった町の歩道の雪かきや、植樹に協力するなどの事例を報告した。
近藤弘樹さんは、県内の学生たちの東日本大震災への支援が今も続いており、支援が交流へと変わっていったこと。学生たちに大学や市や市民も協力するようになったこと。活動を通じて、学生たちが地域の問題に関心を持つようになるなど様々な分野へ良い波及効果が出ている事例や、青森には自然を守り、活かした廃棄食品を利用した循環型農業や、風力発電・ソーラー発電などの自然エネルギーを活用した産業があること、またその得た利益が地域貢献へ使われるなど広がりを見せている事例を報告した。
舞の海秀平さんは、被災地を支援に訪れた体験談やブータン王国で相撲教室を開いた時のエピソードを紹介。ブータンでは、村に渡ってくる鳥を守るため電気を引かないことを決め、自然を守る生き方をしているという報告をした。
シンポジウムは、コーディネーターの村松真貴子さんの軽妙な司会で進行し、予定の80分があっという間に経過した。
フォーラムの最後に、参加者全員で復興支援ソング「花は咲く」を合唱し、全日本社会貢献団体機構 松尾守人理事が閉会の挨拶をして2時間20分にわたるフォーラムを終了した。
参加者からは、「社会貢献についてあらためて考えなければならないきっかけになった」「自分自身、日常生活でできることを実践していきたい」「自然豊かな青森で暮らし生活できることが、幸せなことだと改めて実感した」等の感想が寄せられた。