平成22年2月13日
社会貢献フォーラム「今、あらためて『教育』を考える ~家庭・地域が支える子どもの教育~」
全日本社会貢献団体機構では、去る2月13日(土)、岡山県岡山市・山陽新聞さん太ホールにて、「社会貢献フォーラム 今、あらためて『教育』を考える ~家庭・地域が支える子どもの教育~」を開催、300人が参加して盛会裏に終了した。
このフォーラムは、「最近よく耳にするのが、子どもたちの学力低下や生活習慣の乱れ、さらには青少年犯罪の低年齢化や凶悪化など、子どもたちや青少年に関する様々な問題であり、学校や行政でも、様々な対策や取り組みが行われているが、それだけでは問題の解決には至っていないのが現状。そこで、この子どもたちへの教育支援の分野における社会貢献活動の役割と可能性について、教育の専門家や地域で社会貢献活動に取り組んでいる方々に話しを聞きながら考えていこう」と企画された。
フォーラムでは、山陽新聞社広告局・浅沼慎太郎局次長の開会のあいさつに続いて、第1部として、作家の童門冬二先生による「日本人の知の遺産」と題する講演からはじまった。
童門先生は、江戸時代の教育環境などを中心にしつつ、岡山県の閑谷(しずたに)学校が果たして来た役割や意義、精神、学問についても触れるなど、その多彩な知識と軽妙な語り口で、聴衆のみなさんは笑いを誘われながらも深く感動していた。
第2部は、東京農業大学客員教授で元NHKアナウンサーの松田輝雄さんをコーディネーターとして、立命館大学の陰山英男教授による「基調報告」から開始された。
先生は、各種調査結果などを紹介し「父親の存在感が薄くなるなど、家族関係の在り方が変わった最大の理由は夜型社会」と問題提起した。
続いて、岡山県遊技業協同組合の松村高男理事長から「昨年までの通算44年間に総額、約1億7,600万円をのべ1,300団体に助成するなど、組合が取り組む青少年健全育成支援事業」について、山陽新聞社の影山美幸論説委員から「学校に記者を派遣して行う出前授業やミニ新聞を印刷できる車「さん太号」を派遣するなど、学校で新聞を活用するNIE活動やその意義」について、事例報告があった。
また、パネリストの、スポーツコメンテーターでバルセロナオリンピックシンクロメダリストの奥野史子さんは、最近仲間と社会貢献活動「アスリートネットワーク」を立ち上げたことや「大きな思いを持った先生がいなければ、今の私はなかった」と指導者の重要性を指摘するなど、4人は活発に意見を交換した。
フォーラムの途中、「リラックスして楽しく議論を進めましょう」とコーディネーターの松田さんの発案で、みんなで立ち上がって笑顔を作るなど、深刻になりがちなテーマを和やかな雰囲気の中で議論は進行していった。
最後に、全日本社会貢献団体機構 松尾守人理事が閉会の挨拶をして2時間20分にわたるフォーラムを終了した。
参加者からは、「普段何気なく行っていることの問題点を指摘され、大変勉強になった」「肩肘はらずできることから始めたい」「大人に課せられた義務を改めて考えさせられた」「大人が楽しくなければ、子どもも楽しくないはずだ」など、フォーラムの企画に多くの感謝の言葉が寄せられた。