フォーラム

平成26年度開催のフォーラム

平成26年11月30日
社会貢献フォーラム「主役はあなた!明日の街づくり〜社会貢献がつくる地域の活力〜」in 奈良

フォーラムの詳細が、奈良新聞(12月24日付)に掲載されました。

11月30日(日)、13時30分から奈良市 なら100年会館中ホールで社会貢献フォーラム「主役はあなた!明日の街づくり〜社会貢献がつくる地域の活力〜」を開催した。300人以上が参加し盛会裏に終了した。

フォーラムは、主催者を代表して奈良新聞社 上田達雄取締役が開会のあいさつをした後、第1部「社会貢献にかける〜野球を通じた恩返し〜」と題し野球解説者でお馴染み、元阪神タイガースの赤星 憲広さんとアナウンサーでエッセイストの村松真貴子さんとのトークから始まった。

トークでは、盗塁のたびに車イスを寄贈するきっかけになったあるファンとの約束や、現役引退後もチャリティーを募り車イスを寄贈し続けていること。少年野球チームを主催しているが、プロ選手を育成するのではなく礼儀や挨拶を身につけることや地域の清掃活動を通して学んだことが、社会に出てから何かに役立ってくれればいいと思って野球チームを作ったことなどを語った。

第2部は、「主役はあなた!明日の街づくり〜社会貢献がつくる地域の活力〜」をテーマに、パネリストとして、奈良県遊技業協同組合理事長の相羽宗一郎さん、奈良新聞社論説委員の武智功さん、奈良女子大学教授の中山徹さん、野球解説者の赤星憲広さんの4人、コーディネーターとしてアナウンサー・エッセイストの村松真貴子さんによるシンポジウムが開かれた。

まず、奈良女子大が行っている社会貢献活動を、奈良女子大の学生2名(濱川真衣さん、高原萌さん)が事例発表を行った。

濱川さんは、紀伊半島大水害で被災した過疎の村の野迫川村で行っている活動・地域の人々との交流を報告した。復興の一助になればと、村の郷土料理や、村で豊富に取れるすももを用いたスイーツを開発し奈良市内の商店街で配布したり、野迫川村で「街コン」ならぬ「田舎コン」を開いて若者が村を訪れ林業体験などをしたこと。村のPRビデオの作成を手がけていることなどを報告した。

高原さんは、チケットを購入し奈良駅周辺にある店舗から特別に提供されるバルメニューを食べ歩くという企画「あるくん奈良まちなかバル」におけるアンケート活動や、「三条通り商店街で留学生によるワークショップ」等を報告した。ワークショップでは、日本人が見れば由緒ある古い看板が、留学生たちの目線では見栄えのしない汚れたものに見えるといった意見が出て皆が驚いたこと。また外国人の店舗利用も促進し、地元商店街を広く知ってもらう機会にしたりと奈良市の商店街活性化に取り組んでいる活動を報告した。

奈良県遊技業協同組合理事長の相羽さんは、紀伊半島大水害で被災した1市2村に支援金500万円を寄贈したこと。東日本大震災被災者支援の義援金300万円を寄贈したこと。指定福祉避難所60カ所に非常用発電機を寄贈したこと。このほかチャリティゴルフコンペを平成13年から実施し、チャリティ募金、オークション募金を寄贈していること。奈良県警が実施する防犯シート作成のための資金を提供したことなどを報告した。防犯シートを各戸の入り口に貼った結果、運動を行った地域では空き巣の被害件数が減少したと聞いていると話した。

また、相羽さんが支援金や義援金の寄託が活動の中心になっている。これでよいのかと悩んだこともあったが、支援金や義援金の拠出も立派な社会貢献ではないか、社会貢献とは要は人と人の助け合いだから、できることをすれば良いと思うようになったと話すと、赤星さんも社会貢献は人それぞれのやり方がある。自分ができることをするのが大切なのではないかと応じた。

奈良女子大教授の中山さんは、社会貢献とは、活動している側だけではなく受け入れる地域にとってプラスになることが必要だ。学生たちも、やっている過程ではいろいろと苦労があった。その中から地域社会や現実の生活から多くのことを学んで成長していったと思う。都市計画、すなわちまちづくりは、きれいで便利な街の形をつくればいいのではない。それも大切だが、最も重要なことは人づくりであり、住民が自分のまちを真剣に考えるようになることだと語った。

奈良新聞社の武智さんは、地域社会での人間関係が変わってきた現実がある。かつての地域共同体が希薄になっているので、社会貢献の必要度が高まっている。助け合いは、人が生きていく原点だ。さまざまな立場で助け合っていくことと、継続していくことが大切だと思うと語った。 

赤星さんは、「Ring of Red 交野チャリティーマラソン」を立ち上げたとき、最初から市民すべてが協力してくれたわけではない。毎年開催しているうちに趣旨を理解し、ボランティア参加者も増えていった。継続して取り組むことが重要だと語った。

シンポジウムは、コーディネーターの村松真貴子さんの的確な司会で進行し、予定の80分があっという間に経過した。
フォーラムの最後に、全日本社会貢献団体機構 松尾守人理事が閉会の挨拶をして2時間20分にわたるフォーラムを終了した。

参加者からは、「空き巣のシートはうちの近所でもよく見かけますが、遊技業界から支援されたものだと初めて知りました。」「過疎化に悩む地域に住む人間としていろいろ考えました。」「一歩踏み出す勇気、継続する力の大切さを教わった。」「忙しくてなかなかボランティア活動自体には参加できないですが、チャリティイベントへの参加など自分のできることを続けていきたいと思いました。」「赤星さんの貢献活動を詳しく知ることができ良かったと思います。私にも何かできるだろうか?と考えることが出来ました。」等の感想が寄せられた。